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福島県 児童養護施設 訪問レポート

福島県 児童養護施設 訪問レポート

さる2013年11月2日、BLUE FOR JAPANは、福島県にある児童養護施設を訪問しました。

今回、訪れたのは8月に開催した「おいでよ!東京 2013」に参加してくれた「白河学園」と「いわき育英舎」の二つの施設です。

<白河学園の訪問>

白河学園では、定員63人のうち、現在62人の子どもたちが入所しているそうです。

施設にいる子どもたちは、ネグレクト(育児放棄)によって施設に預けられている子が多く、中には身体的虐待や、性的虐待を受けてきた子どももいます。彼らは、親や社会から一度見放されたという深い傷を負っており、そのために大人への強い警戒心を持っています。そして、彼らは何度も大人を試すような態度をとることもあるとのこと。

そうした彼らの態度の根底には
「この大人は、自分にとって、味方なのか、敵なのか」
という気持ちが隠れているのだそうです。

お話をうかがった後は、子どもたちと一緒にランチをいただきました。

BLUR FOR TOHOKUのことを覚えていて、先日の「おいでよ!東京 2013」で訪れた子どもの一人は、
「何度もパイロットをやったんだよ!」
と、嬉しそうに話していました。
「また来年も行きたい!」
と、笑顔で話してくれました。

<いわき育英舎への訪問>

いわき育英舎は、小高い丘の上にあります。
一番近い駅からもかなり距離があり、施設に向かうには、大変な坂道を上ることになり、訪問するにはなかなか大変な場所でもありました。
 
いわき育英舎は、定員40名のところ、現在は31名の子どもたちが生活をしています。2~3人で一部屋を使って寝泊まりしていることは白河学園と同じでした。
子どもたちが預けられることとなった事情に関しても、いわき育英舎も白河学園も大きな差はありませんでした。施設の中は清潔で、過ごしやすい空間になっていました。

お話をうかがった後は、施設の中を色々と見学してきました。

<訪れてみて>

今回の訪問に際し、BLUE FOR JAPANでは、わずかですが、寄付を行ってきました。
そして、これから先に更にどのような形で施設に協力できるのかを考えました。
 
実に様々な問題を抱えて児童養護施設にやって来ている子どもたち。いずれの施設もいろいろと問題はあろうかと思いますが、子どもたちは元気に過ごしていました。但し、ここで暮らすことができるのは18歳までです。18歳になれば卒業せざるをえず、大学に進学できる子は稀です。そのため、それまでの施設での暮らしから突然、社会に一人で飛び出していくことになるのです。
 
そういう彼らが、どうしたら社会に馴染むことができるようになるのか、私たちにできることはあるのか、ということを考えさせられました。
いずれの施設でも、物質的には大きな問題は抱えていないように感じました。施設の設備も、子どもたちの衣食住に関することも、十分ではないかもしれませんが喫緊の問題とは思いませんでした。

しかし、圧倒的に足りていないものがあります。
それは「大人からの愛情」「大人との信頼関係」という点です。我々が当たり前のように思っていた親・大人との会話・接点。時に叱られ・怒られること、もちろん、褒めてもらうこと、撫でられることなど。そこから言葉では言い表すこともできないほどの大きなものを子どもたちは受けていたことを知らされます。そんな言葉では表すことができない大人との関わりがとても大事だと感じました。

児童養護施設への支援で一番大事なことは継続すること。地道ではありますが、これからも少しずつ、子どもたちの力になれるように支援を更に具体的に実現させていきたいと思います。