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「いくよ!福島2015」白河学園で児童たちとふれあいました

「いくよ!福島2015」白河学園で児童たちとふれあいました

〜はじめに〜

5月23日(土)に、第2回目となる「いくよ!福島」を開催し、BLUE FOR JAPANのメンバー約20人で白河学園(福島県白河市)を訪問しました。

このイベントの目的は、日ごろ大人と接する機会が少ない施設の子どもたちに社会性をに着けてもらうこと、そして、世の中にどんなお仕事があるのかを知ってもらうことです。
まずはBBQで子どもたちと交流を深め、その後は中高生を対象に仕事紹介をしました。

いくよ福島2015

 

〜みんなでBBQ〜

施設到着と同時に、早速、BBQの準備開始。晴天に恵まれ、滑り出しは順調です。
昨年に引き続き福田屋さんのご協力により、大型の調理器材などのBBQセットが次々に設置されます。

昨年のBBQ開始の時にはやや緊張した面持ちだった子どもたちも、2回目となる今年は、はじめから笑顔です。
「前日から、晴れるようにと子どもたちが祈っていたんですよ」と、施設の職員さん。
「音楽をかけてもいい?」と、中高生の女の子たち。「SEKAI NO OWARI」など、お気に入りの音楽をかけながら、鉄板で焼かれるお肉や野菜を楽しんでいます。
「美味しすぎるよ」と、お皿に山盛りの焼きそばを乗せて、食べている男の子もいます。そして、マシュマロをコンロで焼いて美味しそうに食べる子どもたち。

BBQをしている間にも、学校のことや部活のことなど、BLUE FOR JAPANのスタッフと話し込んでいる子や、追いかけっこをしている子もいて、思い思いにイベントを楽しんでいます。
「大人たちに思い切り遊んでもらえる時間が、子どもたちにとっては必要なんです」と、職員の方にも言われました。

BBQが終わると、子どもたちも一緒に片づけをして、いつの間にかサッカーが始まります。小学生から高校生、大人も交じっての対戦は、少しずつオリジナルのルールを作りながら楽しいゲームに発展していきます。
「去年もやったもんね」と、楽しそうに話す子どもたちを見て、改めて活動を続けることの大切さを痛感しました。

その後、昨年のBBQの様子を写した写真パネルを施設にプレゼントし、子どもたちにけ取っていただきました。

いくよ福島2015

 

〜お仕事紹介〜

体育館に移動し、今回のイベントの柱である仕事紹介がスタートしました。

児童養護施設の子どもたちは、大学進学率が低いことなどが理由で、就ける仕事が限られているのが現状です。それに加え、日ごろ接している大人たちが少ないため、どんな仕事があるのかを想像できない子も多くいます。そこで、さまざまな職種のメンバーで成り立っているブルーの特性を生かし、子どもたちに仕事紹介をすることにしました。
今回は介護福祉士、公務員、料理研究家にスピーカーになってもらいました。最初のスピーカーは、介護福祉士の小林さん。昨年、子どもたちにアンケートをとったところ、介護の仕事に興味を持っている子が多いことが分かったので、ぜひ子どもたちにお話していただきたいとお願いし、快く引き受けていただきました。
「介護施設の中には、介護福祉士の他にもさまざまなお仕事があります」と、お話をスタート。介護士だけではなく、栄養士や調理師など、施設の中だけでもさまざまな仕事があることを紹介。また、働きながら資格を取って、少しずつステップアップしていくことができることなどを紹介してくれました。

続いては、公務員の青木さん。厚生労働省で働く青木さんは、高校卒業後、公務員試験を受けました。
「公務員の中にも、高卒資格で受けることができるさまざまな仕事があります」と、一覧表を配ってくれました。大学に進学することが難しい施設の子どもたちにとって、高卒で受けることができる公務員試験にどんなものがあるのかは興味深いようでした。実際のお仕事の内容のみならず、公務員として働くことにおいてどのようなメリットがあるのかなど、経験を通じて具体的にお話してくれました。

いくよ福島2015

最後は、BLUE FOR JAPANのメンバーでもある料理研究家の真鍋さん。現在はレポーターなどとしても活躍している真鍋さんですが、学生時代にはお父さんの経営していた会社が倒産し、苦境に立たされた経験があるとのこと。
「ともかくお金を稼がなければ!」と思い、芸能活動を開始。さまざまな経験を経て、大好きな料理という仕事にたどり着き、今ではレストランのメニュー開発などにも携わっています。そんな自身の経験を通じて、子どもたちに伝えたいこと。
「信頼できる大人に、ちゃんと相談していい。そうすることで答えは見つかります。ここにいる施設の先生や、BLUE FOR JAPANのメンバーは、きっと話を聞いてくれますよ」と、アドバイスしました。

三人の講演の後は、フリータイム。自分が興味のある仕事をしている人とお話をします。
昨年登壇した調理師の石川さんと料理について話す子がいたり、真鍋さんの周りを囲んで、質問を投げかける子どももいます。中には「まだ、何がしたいのか分からない」という子もいます。そういう子どもたちにはスタッフから積極的に話しかけ、どんなことに興味があるのか、どういうことが得意なのかなどを聞き出して、それに見合う仕事の人とお話をセッティングしました。
昨年は「やりたいことなんてない」と、やや投げやりな返答をしていた高校生の女の子は、「ちょっと、料理とかも面白そうだと思っている」と、話してくれるようになりました。

いくよ福島2015

 

〜おわりに〜

子どもたちは、原則18歳までは施設で暮らすことができますが、その後は基本的に自立しなければなりません。

全てのイベント終了後、一人の男の子からあいさつがありました。
「今日は一日、本当に楽しかった。サッカーができたことも。会話ができたことも。楽しい時間はあっという間です」

会話という、当たり前に思えるコミュニケーションも、彼らにとっては刺激の一つになっているのだということを感じました。
帰途、子どもたちはBLUE FOR JAPANのメンバーがバスに乗り込むまで、見送ってくれました。バスが走り出してからも、幹線道路まで走って追いかけてくる子もいました。昨年は、見送りに来てくれなかった高校生の子どもたちも、今年は見送りに来て小さく手を振ってくれました。

今回の「いくよ!福島」は、全員とは言わないまでも、何人かの子どもたちには確実に良いきっかけを与えられたのではないかと思います。
「また来てね!」と、繰り返される子どもたちの言葉を聞きながら、これで終わりではなく、この経験を元に、さらなる支援の形を考えていこうと、志を新たにしました。

今後とも、BLUE FOR JAPANをどうぞよろしくお願いいたします。

いくよ福島2015

 

〜写真アルバム〜