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おいでよ!東京2012を実施いたしました

おいでよ!東京2012を実施いたしました

2012年8月20日に福島県にある4つの施設から子どもたちと職員合わせて約60名をお迎えして、東京都江東区豊洲にある職業体験施設キッザニアでの「自分で働いてお金をもらう」という体験、そして野外でおもいっきり体を使って遊んだ陸上選手やお相撲さんとのふれあいは、どれも子供たちの一生忘れられない思い出となったと確信しています。
そして、我々スタッフ一同にとっても忘れられない思い出となりました。

そんな今回のイベントは参加下さった方、寄付を下さった方ひとりひとりのお力がなければ、どれも実現できないものでした。改めて心より、御礼申し上げます。
親族のサポートが受けにくい児童養護施設の子どもたちは、大学進学率が低く、就職先も限定されてしまっているのが現状です。そんな彼らに「キッザニア」で職業の疑似体験をしてもらうことによって、未来に進んでいく糧となる夢をつかんでくれたら、という願いがありました。

おいでよ!東京2012

キッザニア東京では、およそ90種類もの仕事やサービスが体験でき、楽しむだけではなく、学びや気づきを得てもらうという目的があります。キッザニアに福島の児童養護施設の子どもたちを招待するにあたって、一番早い施設では朝5時に集合してもらい、バスや新幹線で約5時間かけて東京まで来ていただきました。

多くの子どもたちにとって、東京、そしてキッザニアに来ること自体が初めてでした。
一人の男の子は「将来何をやりたいかまだ分からないけど、ソフトクリームやピザを作って、また作ってみたいと思った」と新たな発見にわくわくした様子。お化粧をしてもらえるコーナーで奇麗にしてもらって、目をきらきらさせていた女の子たちも印象的でした。裁判官にチャレンジした男の子も、「難しかったけど楽しかった」と達成感たっぷり。

また、キッザニア内だけで使えるお金「キッゾ」は、職業体験パビリオンで働くことにより稼げます。キッゾで実際にシールや鉛筆を買って子どもたちも嬉しそうでした。
「こんなにキッゾを稼いだよ!」と喜んでいるお子さんもおり、「遊びを通じて楽しく学んでもらう」というイベントの目的は達成できたように思います。
「おいでよ!東京」プロジェクトを実施出来ました。

キッザニアでの職業体験後、15時からは豊洲公園で体を動かして遊んでもらいました。このために駆け付けてくれたのが、陸上の秋本真吾選手と、東京・中央区の荒汐部屋から力士6名。秋本選手と、幕下の福轟力さんを含む力士3名は福島県の出身です。

おいでよ!東京2012

まずはプロのハードル選手である秋本さんが、「早く走るための走り方」を伝授。
子どもたちは、秋本選手の走る姿を羨望のまなざしで見つめ、握手やサインをしてもらっていました。和気あいあい、思いっきり走る子どもたちの姿を見て、秋本選手自身も楽しめたとのこと。

秋本選手の出身である福島県大熊町は、原発から半径7キロ以内にあり、今もなお立ち入り禁止区域に指定されています。
そんな秋本選手は、東北の被災地で陸上教室を開くなど、日ごろから積極的に被災地支援を行っています。

おいでよ!東京2012

次に、荒汐部屋の力士たちの出番です。
福島市出身の福轟力さん、大波さん、剛士さんら計6名が会場に姿を現したときから、子どもたちは大興奮。早速、子ども6人対力士1人、ひらりと交わされたり、優しく持ち上げて次々と外に出されてしまったり、とにかく大盛り上がり。

おいでよ!東京2012

福轟力さんは「震災の後、何かしたいという気持ちがあったけれど、一人では何もできなく、実行に移せなかったので、こういう形で参加できてうれしい。地元の子どもたちに元気になってほしいと思ったけれど、子どもたちが元気いっぱいで逆に僕が元気をもらいました」と語ってくれました。
同じく福島市出身の大波さん、剛士さんも「相撲を頑張って、強くなって、皆に元気を届けたい」と力強いメッセージを伝えてくれました。

最後に子どもたち対アスリートで綱引き。2勝1敗で子どもたちチームの勝利!
大人も子どもも真剣勝負で、今回のイベントに携わった人々の一体感が高まり、とても素敵な時間でした。
「おいでよ!東京」プロジェクトを実施出来ました。 「おいでよ!東京」プロジェクトを実施出来ました。

●施設からのメッセージ

白河学園
子どもたちは、東京に行くのをすごく楽しみにしていて、プロジェクト当日までに夏休みの宿題を終わらせてきた子もいました。
福島の芝生は放射線量が下がらず、入れないところが多いので、今日は東京の芝生で思いっきり走ったり、ふざけたり、転んだりして遊べて本当に皆うれしそうでした。
今日撮った写真や映像を、来られなかった子どもたちや職員に見せて、たくさん報告をしてあげたいと思います。

青葉学園
事前に「キッザニアで職業体験」と言われてもなかなかイメージがつかめず、とまどっていた子どもたちも施設に入ってから、他の子どもたちの様子を見て「これがやりたい!」と前向きに取り組み出しました。「獣医」体験は本格的な手術などを体験できたようで、動物好きの子がとても真剣に取り組んでいました。
就職、職業の話などはなかなか小さいうちからは教える事はなく、だいたい高校3年生になって進路相談の時に本人の希望を聞いてアドバイスする程度。小学生のうちにこういった経験ができた事は本当に貴重です。
児童養護施設の子どもたちは外出の制限が厳しいので、小学生は電車にも乗れない事もある。そういう状況で「なぜ周りの子は行っていいのに自分は行けないの?」と憤りを感じる子も多く、今日は電車や新幹線に乗れることも嬉しかったのではないかと思います。

いわき育英舎
子どもたちにとっては全てがなかなかできない体験でした。宿題に絵日記があるので間違いなく今日の事をたくさん書くと思います。
キッザニアでは借り物の携帯電話で番号交換などをしてお互いに電話をしあったりして楽しそうだったし、他の施設の子たちと仲良くなり一緒に遊んだようで、本当にうれしそうでした。
福島でも県内の養護施設同士で球技大会などを行ったりしていますが、なかなか一緒に何かをする事もないので素晴らしい機会でした。

アイリス学園
子どもたちは新幹線に乗ること自体、初めての子が多く、そこから既にいい経験をさせてもらったと思います。
キッザニアでは、普段身近で見ていたパン屋さんやアイスクリーム屋さんなどを実際に仕事として体験できたことで、こられの仕事に対する見方が変わったように思います。
子どもたちの将来にとって、意味のある企画だったと思います。

当日はBLUEのメンバーだけでなく、SNSでイベントを知り初めて参加される方、そして女医さんたちで結成されたボランティア団体、En女医会からたくさんの方々がスタッフとして活躍してくださいました。

●おわりに

最初は緊張・警戒気味だった子たちも、さまざまな発見をし、外で思い切り遊んだ後には充実感で目を輝かせていました。
後日、児童養護施設の方から、「当日もらったBLUE FOR JAPANのTシャツを着て、元気に遊び回っています」とご連絡を頂きました。
今後ともBLUE FOR JAPANをどうぞよろしくお願い致します。

おいでよ!東京2012

BLUE FOR JAPANは、震災遺児を含む被災地の児童養護施設への支援を行っている特定非営利活動法人です。これまでレストランや小売り店鋪の皆様を中心にご協力頂き、福島の養護施設と相談の上、必要なものを届けて参りました。
イベント、活動内容等詳しくは、info@bluefortohoku.jp までお問い合わせ頂くか、ホームページをご覧下さい。