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靴をとどけよう!プロジェクト

靴をとどけよう!プロジェクト

福島県にある児童養護施設、いわき育英舎から「靴が足りない」という話を聞いたBLUE FOR JAPANのスタッフ。それならば、子どもたちに新しい靴を届けたいと考えました。しかし、ただ「靴を寄贈する」というだけではもったいない……自分の目で品物を選び、買うということは、社会に出るうえでとても大切な金銭感覚などを学ぶチャンス。そこで、子どもたちを実際にお店に連れて行き、決まった予算の中で靴を選んで買う体験をしてもらおうと、「靴をとどけよう!プロジェクト」を立ち上げました。

4月4日、福島県大熊町出身の400mハードル選手、秋本真吾さんに参加していただき、いわき育英舎の中学生以上の男女14名と共に、施設から車で30分のところにあるスーパースポーツゼビオいわき店へ。

秋本選手と、ゼビオのスポーツナビゲーターと一緒に店内を回って、子どもたちに自分の欲しい靴を選んでもらいます。「ランニング用の靴が欲しいと思っているんだ」「通学にぴったりの靴が欲しい」など、それぞれ欲しい靴を考えてきた子どもたち。予算や用途、サイズ、デザインなど、選び方の基準を教えてもらいながら、真剣に買い物に取り組んでいます。「これカワイイね」「それカッコいいよね」と、子ども同士でも笑い合いながら楽しみ、それぞれのお気に入りの一足を決めています。

選んだ靴を購入する子どもたちと、それを見守る秋本選手ら

選んだ靴を購入する子どもたちと、それを見守る秋本選手ら

「これだけたくさんのものが揃っている中で、選ばせてあげられて良かった」と、施設職員の方からも嬉しい声が聞けました。運動部の練習で今日のイベントに参加することのできなかった子どもたちには、それぞれのスポーツに適した靴を、秋本選手たちのアドバイスに従って施設職員の方が選びました。

施設に帰ってからは、秋本選手による「かけっこ教室」がスタート。体育館には、小学生の子どもたちも集まってきました。秋本選手の高いジャンプや走りを見ると「すごい速い!」「あんなに飛べるの?!」と、驚きの声を挙げて、一気に秋本選手に魅了されてしまった様子。「速く走るためには、大きな歩幅で速く足を出すことがポイントだよ」と、解説する秋本選手の話に真剣に耳を傾けます。その後も、秋本選手のアドバイスでジャンプをしたり、その場駆け足をしたりしながら、走り方のフォームを習いました。新しい靴を手に入れた子どもたちは、その靴の感触を確かめるように何度も走り「新しい靴と、かけっこ教室で、足がすごい早くなった」と嬉しそう。

児童養護施設の子どもたちは、実際に買い物に出かける機会が一般の中高生のようにはありません。今回のような経験を重ね、社会と繋がることによって、当たり前にも思える金銭感覚を養うことがこのプロジェクトの目的の一つです。また、道具は何をしてくれるのか?道具となる靴を大切にする意味は?「高いからダメ」「安いからいい」のではなく、「必要なものは何か」「機能とは」ということを福島県出身のプロアスリートを通して真剣に考える貴重な時間になりました。

物品だけではなく、こうした学びの場を提供していくこともまた、私たちBLUEFOR TOHOKUができる支援の形だと改めて感じました。

*当イベントの模様は、福島民友と福島民報にも掲載されました。